よそもんが京都で暮らす

退職して京都に移住して2年目突入!

古くて新しい京セラ美術館

平安神宮大鳥居と京都市京セラ美術館

平安神宮大鳥居と京都市京セラ美術館

岡崎の京都市京セラ美術館で、終了間近の『キュビズム展 美の革命』(3/20〜7/7)を観てきた。

京セラ美術館は、昭和8年(1933)に「大礼記念京都美術館」として開館。大礼とは昭和3年(1928)11月10日に京都御所で行われた昭和天皇即位の礼のこと。設計は公募され、建築家の前田健二郎氏が選ばれ、関西の財界や美術界、市民の寄付により、鉄骨鉄筋コンクリート2階建ての本館が建設された。

前田健二郎氏は、ここ大礼記念京都美術館の他には、

などを設計している。

昭和21年(1946)から昭和27年(1952)まで、駐留軍に接収された後、「京都市美術館」と改称して再スタートした。平成29年(2017)には京セラと50年間のネーミングライツ契約を結んだ。同じ年に改修・増築のため一時閉館し、青木淳氏(現館長)と西澤徹夫氏の共同設計の下でリニューアルされ、令和2年(2020)5月26日に再オープンしている。

現在、新館の東山キューブでは『村上隆 もののけ京都』(2/3〜9/1)も開催中である。終わるまでに早く観にいかないと...

最後にちょっとカタい話。昨今、新しい公共の箱物を造ることに対しては、「税金の無駄遣い」「財政再建に逆行する」「次世代に借金を残す」などとして、反対の声が大きい。しかし、明治・大正・昭和初期に、先人が多くの公共施設を造ってくれていたおかげで、現代に生きるわれわれは楽しめている。よく練られた都市計画の下で、継続的に公共施設に投資を続けることは「次世代に財産を残す」ことになると思う。また、若い建築家にチャレンジの機会を与えることにもなる。ただし、狭い縄張り意識で各自治体が争っているようでは“よく練られた”都市計画は描けない。一番の課題はここにあると思う。いずれにせよ、京都市民としては、故稲盛和夫氏が率いた京セラに感謝だ。

□公共交通機関使用による訪問難易度