10月〜11月の間、秋の特別拝観を行っている嵯峨釈迦堂・清涼寺に行ってきた。四条烏丸からは、91系統大覚寺行きのバスに乗って、終点大覚寺の2つ手前のバス停「嵯峨釈迦堂前」で下車する。バス停からすぐのところに嵯峨豆腐で有名な「森嘉」がある。森嘉の隣が嵯峨釈迦堂・清涼寺の仁王門だ。
清涼寺は、1016年に東大寺僧奝然(ちょうねん)上人の意志を継いだ弟子の盛算(じょうさん)が開いた寺だが、この地には、元々棲霞寺(せいかじ)というお寺があった。
棲霞寺は、52代嵯峨天皇の「嵯峨院」の一部だったが、源氏物語の主人公光源氏のモデルとされる源融(とおる)に別荘として下賜された。この棲霞寺の本尊だったのが、平安前期の896年に源融が自分の顔に似せて造らせたといわれる国宝の阿弥陀三尊。
一方、清凉寺は、東大寺の奝然上人が、985年に北宋から持ち帰った国宝釈迦如来を本尊として開かれた。この像は釈迦37歳の生き姿を刻んだものと伝えられていたが、昭和28年に像の体内に五臓六腑等が納められていることが発見された。このことによって世界最古の内臓模型であったことが判明した。
元々2つのお寺であった清涼寺。それぞれの本尊が国宝に認定されるほどの貴重な仏像である。春と秋の特別拝観の時期しか拝むことができないが、嵐山や大覚寺に行く際には、ぜひここまで足を伸ばしたい。
□公共交通機関使用による訪問難易度
- 嵯峨釈迦堂・清涼寺(易)