ベルンから次の宿泊地モントルーへは、スイス国鉄でシュピーツ駅まで行き、そこからモントルー・オーバーラント・ベルノワ鉄道(MOB)の「ゴールデンパス・エクスプレス」を利用した。
インターラーケンからシュピーツを経てツヴァイジンメンまでは標準軌(幅1.435メートル)、ツヴァイジンメンからモントルーまでは狭軌(幅1メートル)の線路になっているが、特殊な台車を使用しているため、列車を乗り換えることなく全線を走破できる。
ツヴァイジンメン駅から先、列車は西に向かって、スイスらしい山岳風景の中をゆっくりと駆け抜ける。終点のモントルーに近づくと、ステップバックしながら一気に谷を下っていく。眼下に見えるレマン湖は絶景だった。
夏のジャズ・フェスティバルで有名なモントルーはレマン湖畔にあるリゾート。レマン湖に流れ込んでいるのは、スイスのローヌ氷河を源流とする水。レマン湖の反対(下流側)にはジュネーブの街がある。そこから先、ローヌ川はフランスに入り、リヨンを経由して地中海に注ぐ。源流から河口までの全長は800キロメートルを越える。
モントルーとローザンヌに挟まれたラヴォー地区の葡萄畑は2007年にユネスコ世界遺産に登録された。湖岸にあるヴヴェイの町はチャーリー・チャップリンが移住した地。また、ローザンヌは国際オリンピック委員会のある都市、ローザンヌの対岸はミネラルウォーターで有名なフランスの「エビアン」になる。