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退職して京都に移住して2年目突入!

本法寺で長谷川等伯を観る

光悦翁手植之松と長谷川等伯像が並ぶ本法寺本堂

光悦翁手植之松と長谷川等伯像が並ぶ本法寺本堂

春の特別寺宝展(3/14〜4/15)をしている本法寺に行ってきた。今回は、長谷川等伯が息子久蔵の供養のために描いた「涅槃図」が公開されている。

本法寺は、1436年頃に開かれた日蓮宗のお寺。室町幕府の時代は、他の宗派との折り合いが悪く冷遇されたが、1587年に豊臣秀吉聚楽第整備に伴い、現在の堀川寺之内に移転した。本阿弥家の菩提寺として、本阿弥光二・光悦親子の支援を受けて、伽藍が整備されたが、1788年の天明の大火でその多くを焼失した。

一方、長谷川等伯は、地元七尾にあった菩提寺の本山が本法寺であったことから、本法寺を頼って上京し、次第に京都で地歩を固めて活躍していく。等伯の物語は安倍龍太郎さんが書いている。

今回、特別公開されている「涅槃図」は長谷川等伯が1599年、61歳の時に描いたもの。タテ約10メートル、ヨコ約6メートルになるとても大きな絵である。智積院に残る「桜図」(国宝)を描いた息子久蔵を失った悲しみを、当時の本堂に架けられる最大のサイズの涅槃図を描くことによって表したとされている。

天明の大火で本堂は焼失してしまうが、たまたまその時、「涅槃図」は土で作られた宝蔵に保管されていたために焼失を免れた。以来、ずっと人目に触れることなく静かに保管されていたが、1987年(昭和62年)に新しく宝物館が竣工、これによって200年振りに参拝者の前に現れた。とにかく大きさに驚く。

□公共交通機関使用による訪問難易度