10/21付け京都新聞朝刊に次のような記事があった。
京都市の9月末までの1年間の「転出超過」(転出者が転入者を上回る)は1782人となった。
その移動先を見ると、大津市とは1039人、亀岡市とは270人の転出超過になっている。
住宅価格の高騰などで、京都市は子育て世代を中心に人口流出に悩んでいる。
そのため、動画を作って子育て世代にPRしている。
京都市の人口減は中心部の不動産価格上昇のせいなのか?そう言われれば、なんとなく正しいようにも思うし、そうでないようにも思う。そこで、京都市と関西の大都市である大阪市と神戸市の人口推移を調べてみた。
グラフにはない2020年以降は、転出超過の傾向が顕著になっているのかもしれないが、京都市の人口は高度成長期の1970年代からずっと横ばい、150万人を少し下回る規模である。この傾向は、京都市に限らず、近隣の大阪市も神戸市も同じである。日本全体の人口もすでに減少に転じているのだから当然の結果であるとも言える。
行政にとっては、1年間で1000人以上が転出超過となることは大問題かもしれないが、長期の人口推移を見る限り、本質は違うところにあるように思う。都市に人口を集中させたいのか、田舎を守りたいのか、現在の政策はハッキリしない。無策であれば、多くの行政区域で少しずつ人口が減っていくのは自明である。