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にも書いたが、今年も宇治に行ってきた。
平等院は、藤原摂関政治の全盛期を誇った藤原道長の別荘宇治殿を息子頼通が1052年に寺院に改めた。頼通は、翌1053年に極楽浄土の宮殿をモデルにした阿弥陀堂(鳳凰堂)を建立した。
2014年9月に竣工した平成の大改修の際に、「金ピカ」にするのか「わびさび」を残すのかについて、当時論争になったようだ。
【関西の議論】「真っ赤で金ピカ」か「古色・わびさび」か、平等院鳳凰堂「平成の大改修」めぐり研究界侃々諤々(1/3ページ) - 産経ニュース
結局、現在目にしている姿になったわけであるが、1053年当時の構造体がそのまま残っていることに変わりはなく、これは素晴らしいことだと思う。
本尊は国宝の阿弥陀如来坐像、仏師定朝が手掛けた仏像で現存する唯一のものと言われている。別途チケットを買うと、鳳凰堂の内部に入って、この仏像を間近に見ることができるので、絶対におすすめしたい。昨年末28日の「お身拭い式」で清められた阿弥陀如来は慈愛に満ちていた。定朝の物語は澤田瞳子さんが『満つる月の如し』に描いている。
平等院を拝観した後は、平等院の鬼門を護る縣(あがた)神社にお参りする。それから朝霧橋で宇治川を渡り、宇治神社、宇治上神社(国宝・世界遺産)、そして興聖寺を回る。興聖寺は1233年に道元が伏見深草に開いた曹洞宗の禅寺。1649年に淀藩主であった永井尚政によって現在の宇治の地に再興された。法堂には伏見城の遺構が使われている。
今年のNHK大河ドラマは紫式部が主人公だが、宇治市源氏物語ミュージアムでは、源氏物語が描かれた平安の世界を体験できる。そして、この辺りは京アニ作品の「響け!ユーフォニアム」の舞台でもある。
□公共交通機関の使用による訪問難易度